Golden Apple


少し目を開いて、トーガに言ってみる。


「…ミカミなんか言ってた?」

「気になるくらいなら家出しない」

「ミカミが悪い!」


飛び起きる。トーガはそれにびくりと驚いて振り向いた。黒縁メガネが光に反射する。


「あたしはペットじゃねえんだよ、なのにGPSとか持たせやがって。しかも毒がどーとか牙だとか首輪とか」

「まあ落ち着いて」

「どれだけ玩具扱いすれば気が済むんだ」

「でもミカミはクラギちゃんを見つけてくれたっしょ」


それを聞いて思い出す。

あたしはまだ感謝を述べていない。