時計は八時を示している。 上げそうだった腰を、キッシーはゆっくりと下ろした。 「トーガはお兄ちゃんみたいなものだよ。今回のことにも、この前のことにもトーガは関係ない。クラギちゃんには、彼にこっちに来ないようにして欲しいの」 アイスコーヒーの氷がキラキラと温かい光を反射させている。 あたしは赤いストローを咥えた。 「了解」 「…ありがとう」 「さてと、ミカミの先回りをしないと」 立ち上がったのはあたし。 計画は立てらんないんだから、先にヒガシノに会わないといけない。