これはミカミ達には関係ない。あたしがキッシーから頼まれたこと。 例え内容が同じでも。 「向こう側にいるってことも知ってる…?」 「知ってる。あ、でも顔は見なかった」 その前に拉致られた。 キッシーは携帯を出して写真を見せてくれた。何の写真かは分からないけれど、男が振り返ってピースをしている。 幸せそう。 自然とそんな風に思った。 「彼とね、別れたいの」 言葉が落ちたように、そう言った。 ゆっくりとキッシーの顔を見る。泣きそうでもない、すっきりとした顔。