Golden Apple


その意見には賛成だ。よく死なないでここに戻ってこれた。…そういえばミカミにお礼言ってない。


「迷惑かけるね、卯月には」

「別にいーよ」

「その内なんか奢るから」


ミカミから貰った金だけど。あたしは横から来る姿を視界の端で捉えていた。共に立ち上がる。

それから小学生のマフラーを巻き直してやる。


「…クラギちゃん」


呼び掛けたのは女の声。キッシーだ。
あの体育館倉庫以来。

あたしはそっちを向いて、首を傾げる。

分かってるよ。


「…助けてください」


頭を下げるキッシーは制服姿。

分かってる。あんたは最初からあたしに助けを求めていたから。