身体を起こしたミカミが目を擦る。あたしは枕元の時計を見たけれど、それが朝なのか夜なのか分からなかった。 「夜ですよ。一日半程眠っていました」 「うわあ…」 発した声が掠れる。ミネラルウォーターを差し出されて受け取った。久しぶりの水をごくごくと飲み干して、キャップを閉める。 何があったっけ、と頭を整理する。 確か拉致られた。それで樹海に捨てられたんだっけ。思い出して怒りが沸々と沸き上がる。 次会ったらどうなんのか分かってんだろうなあの馬鹿男…! 「トーガは元気?」 「元気ですよ」