何ですか。

突然聞こえた敬語と視界に光が入った。

樹海だ…。

ぼんやりと規則正しく揺れる視界。少し上を見るとミカミの綺麗な横顔。


「…え、三途の川?」

「勝手に僕まで渡らせないでくれますか?」

「冗談デスヨ」

「…頭大丈夫ですか?」


心配された。横抱きしてくれているみたいで、ミカミの腕が背中に回っている。


「背中痛い」

「車まで少し我慢してください」


あいつ…あたしの背中を蹴ったあいつ、覚えてろよ。次見たらぶっ潰す。