腕をこっちに伸ばされて、ぎゅっとあたしの首にしがみついた。


「クラギちゃん…」

「なに?」


嗚咽が聞こえる。あたしが彼氏じゃないのが悪いけれど。

背中に手を回す。トントンと叩く。

つかアイツ等向こう側の人間なのか。一応ミカミに言っておこう。

チャイムが鳴ったのが分かった。

キッシーがされたことは、この街じゃザラにある。そりゃあ学校ではあまりないけれど。

汚い奴ばっかりだ。あたしも含めて。


「…助けて」


そんなあたしに助けを求めるこの子は、どうなるんだろう。