勿体ない。見ながら思う。


「女とセックスしても満たされない。煙草も酒も、何も意味ねえの。ずっと渇いてる」

「男の方が好きって?」

「そうなんかな、俺」


眠そうな声。そうなんかな、じゃねーよ。

トーガの方を見る。天井を見上げていた。


「どんなに可愛い子ともグラマラスな子ともシたって虚しいだけ」


その眼が、いつかのミヤシタに似てた。

ハイエナ。

そして、あたしに似ている。

食べても殴っても眠っても満たされない。
いつだって腹の上の方が空いている。

死ぬまで満たされないのかもしれない。