Golden Apple


ずるずると引っ張られる。


「自分で歩ける」

「そうでしょうね、君はもう赤ん坊じゃない」

「はあ?」


腹周りにあった腕が外されて、すぐにあたしの手を握る。絶対に逃がさないつもりらしい。

学校の正門を抜ける。

沢山の視線を浴びて、それでもミカミは気にしない。


「分別くらいつけてください。君はもうコウヅカのものじゃない」

「遠まわしに話すな。うざい」


手を離す。離れた手と、立ち止まったあたしの方にミカミは目を向ける。

笑顔はない。

きょとんとした顔。