今日は簡単に済ませようと焼きそばを作っていると、ミカミがコートを羽織ってキッチンへ来た。


「夕飯要らない?」

「はい、急にすみません」

「別に」

「行ってきます」


その言葉に、うん、と返してフライパンの物を皿に移す。

ミカミが玄関から出て行く音を聞く。

冷蔵庫からサワーを取り出そうと開ける。と、同時に目に飛び込んできたもの。

ガムテープでぐるぐるのサワー。


「あの野郎…! 資源の無駄使いしやがって…!」


缶を握り締めた。

舌打ちをして冷蔵庫を閉める。