タチバナも驚いているけれど、一番驚いているのは当の本人。 でも言ってしまった手前、引き返せない。 ここでソウイウ話を持ち出すタチバナも男としてというか兄としてどうかと思うけれど。こいつ駆け引き苦手そう。 「別に良いじゃん! 駅彷徨いてる阿婆擦れだってやってることじゃん! それがいけないの!?」 紅みの差した頬。少し可哀想だとも思ったけれど、口から出た内容に眉を顰める。 「……あ?」 低い声はあたしのもの。