タチバナはちゃんとタケウチを捕まえられたようだ。 「お前、何してんの?」 「…ミカミさんと待機って…」 「そのミカミからここに来いって…ああ、そういうことか」 やっと、その意味が分かった。 「ちょっと、やめてよ!」 その襟首を掴む。リサは抵抗するけれど、あたしの力に適うはずがない。 それを承知の上で引き摺っていく。 「触んな! 暴力女!」 「触ってねえよ、キャンキャン喚くな」 通路で怒鳴るリサ。それでもホテルの部屋から出てこちらを見る人間は居ない。 ラブホってこういう時便利なのか。