Golden Apple


こちらを見るリサにまたつっかかる。煙草は消しましたけれど、何か。


「別に」


ふ、と地面へ向く視線。


「クラギ、行きますよ」

「レナコとちょっと話してから行く」


今度は無視しなかった。仕方ないというようにミカミはホテルの方への抜け道を行く。

リサはタケウチの方へ近づいて行った。


「…タケウチ追放するんだ」

「そういう話になってるけど」

「リサって子、気をつけた方が良いよ」


ふふ、と笑顔を見せる。

ファーのついたコートが揺れる。


「レナコ、男のこと知りたいんだけど」