「何があったんだよ?」 困惑した顔でミヤシタは言った。 さあ? と首を傾げて見せれば眉を顰められた。あたしにもよく分からない。 「なんか買われたらしい」 「かわれた?」 「詳細はよく知らない。コウヅカに聞いて」 はあ? と更に眉を顰めるミヤシタ。 非常階段から駐輪場の方へ歩いていく。 空が青すぎて、指先が冷たくなるのを感じる。 「今朝、学校に来たらもう広まってた。クラギがあっち側に寝返ったって」 「寝返ったとか」 「気をつけとけよ。今、学校の殆どがお前の敵みたいなもんだからな」