階段を上へ上る。 一年の踊場で、ミカミと会った。 紅いセーターを着たミカミはトーガとは違ってきちんと学年のネクタイを締めている。相変わらずの優等生っぷり。 あたしを見た後、トーガを見た。 「怒らない怒らない。ミカミが居なかったからクラギちゃんだけ連れてきたんだよ、ちょっと付き合って」 「怒ってませんよ」 「そ?」 そんなやりとりをして、三人で階段を上る。 「キッシーってトーガの知り合い?」 「キッシー…?」 屋上への扉のドアノブへと手をかけたトーガが肩越しにこちらを見る。