「クーラーギーちゃん」 とんとんと肩を叩かれる。キッシーだけれど、あたしは顔を上げなかった。 次の授業が体育じゃないことはよく分かっている。 「起きようよ、次お昼だよ」 「昼だから寝てんだけど」 面倒だと思いながらも顔を上げた。 前の席のミヤシタが居ない。いつも昼は食堂へ行くんだっけか。 「何か用?」 「トウガが来てるよ」 キッシーはこれから何処かへお弁当を持って食べに行くのか、後ろに女子を携えていた。 言われて考える。 ああ、トーガ。