溜め息を吐くと、苦笑される。 「クラギが僕のことを聞くのは珍しいというか、思ってもみなかったです」 「主人の思考回路くらいはね」 「僕もキミのことを知りたいですけどね」 マンションの近くにきた。駐車場へ入っていく。 「ミカミは知ってるでしょ、何だって」 「そんなことないですよ」 「調べれば分かることだ」 街の眼は監視の眼。 出た所に入れて、車が停まる。シートベルトを外して車を出た。 部屋へ戻るまで少ししかないのに、手を掴まれる。 どうしたものか、と見上げる。