Golden Apple


鞄を机の上に置いてから気づく。誰かの菓子類の食べカスがボロボロと。

「あ、ごめんねー」

謝罪の意を感じない言葉。女がそれを払って、元の位置へ戻っていく。

くだらない。

あたしは机に突っ伏して眠る体制になる。今が六限だということは分かるのに、教科は分からないなんて。

クズの巣窟に足を踏み入れたが最後。


「クラギ」


とんとん、と机がつつかれたのに顔を上げる。前の席で突っ伏していたミヤシタがこちらを見ていた。

片耳にはイヤホンがされたまま。


「なに」

「あとで、ちょっと」

「ここ、で…」


視線を感じる。