そんなわけが無かった。 この前とは違うカウンター席に座って、目の前に出されたアイスコーヒーをストローでぐるぐるとかき混ぜる。 「眠いですか?」 苦笑気味に聞かれる。聞くくらいなら連れてくんなと思うあたしです。 ミカミは入り口の方をじっと見て、何かを張っているらしい。 あたしもそちらを見てみるけれど何も居ない。幽霊か。 「眠いから帰る」 「あ、来ました」 パッと入り口から視線を逸らす。 あたしは逆にそちらを見た。 数人の男。