Golden Apple


顔だけ振り向いて見上げる。ミカミがあたしを見下げている。


「君は?」

「なにが?」

「僕がリサと居る時、三人でどこに居たんですか?」


口が半開きになった。

拍子をつかれて、後ろから腕を回される。背中がミカミに張り付く。


「ダーツバーに行ってた」


それだけ言って腕の中から逃れる。

戦闘態勢。ミカミと戦うとは考えられないけれど、本能的に。


「で、何なの。リサがタケウチと縁を切りたい理由」


シンクの水が溢れる音が耳に残っていた。