もぐもぐとサラダを口に押し込んで考える。 「この前レナコに会って。その時、タケウチを見たって言ってた」 「ああ、今日も繁華街に居たらしい。人の庭を荒らすなんて良い度胸してるよ」 「タクトはこの件について知ってんの?」 「言ったけど、彼も忙しい身だから。それに向こう側と関係があるわけじゃないからね」 あ、そうか。 納得して、プチトマトを口に放る。 「知りたくないんですか?」 「何を」 「リサと話した内容」 あの日、マンションから追い出された日、帰るともうリサの姿は無かった。