ダーツの向こうのカウンター席の集団の笑い声が沸く。夜八時を過ぎないとアルコールは出ないからか、夕方は学生の連中が多い。 それに視線を向ける。中学くらいの男女のグループ。 「あ、順番違った。殺して火点けて自殺したんだった」 「その時お前何やってたんだ?」 「兄と、家が燃えるのを目の前で見てた」 ストローを離す。いつの間にか無くなったグラスの中身。 黙っていたトーガが口を開く。 「なんかごめん」 「は、何が?」 「結構軽い気持ちでおかーさん任されたと思ってたから」