Golden Apple


礼儀正しいというかなんというか。
話してくれたなら、少し楽だった。

というのを、もしかしたらあの策士は予想していたのかもしれない。

それを踏まえて、あたし自身に話させようとしてるとか。

ミカミならありえる。


「死んだって、事故とか病気?」


トーガが窺う。あたしはストローを噛んだ。煙草が吸いたくなったけれど切らしているのを思い出した。


「親殺して自殺して家に火点けた」

「マジ?」

「マジ」


タチバナが呆けた顔をしている。

それを小さく息を吐く。ああ、そういう顔するんだ、普通は。