学校の裏門へまわる。既に六限目が始まるチャイムが鳴った後のこと。


「届けるのがおせーんだよバイト野郎がっ」


呟きながら正門よりは低い裏門の向こうへ鞄を投げる。正門は登校時間を過ぎると完璧に閉まってしまうし、よじ登れる高さではない。

よって遅刻魔と不良共は大体ここから登校する。

正午に届くはずだった荷物は、何でも新入りのバイトが住所を間違えてあちらこちらへさまよった末に、この時間までになった。

部屋の中にミカミは居なかった。昨日の夜、あたしが眠る時に誰かと電話で話していた。