Golden Apple


後ろでトーガが電話する声が聞こえる。


「何かありましたか?」

「あの、この前はごめんなさい。少し相談があって…」

「ここでは寒いですし、部屋に行きましょう」


部屋にあげるつもりらしい。

あたしは更にこの場を離れたくなった。
そう思った瞬間、トーガがこっちへ来る。

隣にタチバナを連れて。

その五人でずらずらと部屋まで歩く。リビングに行って、タチバナが口を開く。


「何があった?」


その言葉にリサが俯く。

心なしか小悪魔的な顔の唇の端が腫れている気がした。