Golden Apple


千円札を拾ってパタパタと払う。タチバナの所まで持って行った。


「ん、追いかけなくて良いの?」

「ああ、放っといて良い。悪いな、グラス」

「べつに」


実際許したわけじゃない。

定位置に戻ると、その傍のソファーに座っていたミカミ。「また買いに行きましょう」と言う言葉だけ聞く。


「そういやあけましてー」

「明けましておめでとうございます。新年から何事ですか?」

「んー…な、タチバナ」


向こうで放心のようになっている姿にトーガが声を掛ける。