それは運が良いのか悪いのか。
トーガはどちらかといえばミカミよりだから、あたしの思う面倒なことを好む傾向がある、と感じてる。
人を怒らせては楽しんだり手の上で転がしたりしそうだし…。
悪趣味だ、そう悪趣味。
「なんでもないの! ミカミさんにも関係ないもんっ」
キャンッと吠えたタチバナ妹は立ち上がって、一度あたしを睨んだ。うわ、ミカミを見る眼と大層違うことで。
嘲笑いそうになるのを堪える。あ、そういえばグラス。
「リサ」
「ねえ、」
タチバナが制止する声も聞かずに出て行こうとするその足を止める。
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