袋叩きって。
ゆっくりと歩き出した。マンションの方へ向かう。
「あたしがそんなに柔だと思ってるんならミカミの目は腐ってる」
「クラギの力は買ってるつもりだよ。現に君はきっとトウガやタチバナよりも戦い方を知ってる」
家族連れ。小さい子供が生意気にブランドのショップバッグを持ち歩いている。
「でも、それはあくまで一対一か、多くても三人くらい。それ以上に勝利を望むのは、希望というより幻想だ。
クラギにも、僕は同じことを思うよ」
急にこちらを真っ直ぐ見てくる。
そんなの分かってる。
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