作戦を図るのに優れたミカミは、あたしの偏見と憶測で言うと、多分あまり否定されずにここまで来たんだろう。
自分の意見がすいすい通ると思ったら大間違いだ。
「ミカミがあたしにバイトさせたくないのって信用してないから?」
「違う」
「バイトの帰りとかに人と喧嘩しないかって」
「ああ、確かにそれは少し心配ですけど」
目線が宙に浮く。何かを考えているらしい。
いつもしているマフラーが暖かそう。
「…少し心配なんだ」
「もっと心配なのは、君の存在を疎ましがっている奴らに袋叩きにされないかってことだね」
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