春山先生にそんな過去があったんだ。

でも、共感してくれる人がいるって嬉しいことなんだね。

「その人とは今もうまくいってるんですか?」

私が質問をしたら、一瞬間があった。

「いや、…亡くなったんだ。三年前に。」

「えっ」

「病気だったんだ。大学卒業して就職しても俺たちは何も問題なくて、忙しくて会えなくてもすれ違うことなく順調だったんだけどね。急に病気になって…。」

先生、すごく悲しそうな顔してる。

大好きだったんだね、その人のこと。

きっとその人、天国で先生のこと見守ってるよ。

「ごめん、重い話になっちゃって。」

「いえ。聞いたのは私ですから。」

二人の間に重い空気が流れる。

そんな空気を断ち切るかのように、先生が笑顔で、

「さ、部活の時間だね!俺も今日は部活の様子でも見ようかな。」

こうして私たちは数学科準備室を後にして、バスケ部が活動している第二に向かった。