「親父もって…?」

「あれ、俺高校のとき言わなかったっけ?母親は俺が高校のときに亡くなったんだ。」

「あ…」

「思い出したか?」

「はい。…バイトいくつかされてましたよね。部活やりながら。」

「あぁ。芽唯を飢え死にさせるわけにはいかなかったしな。
ったく、夫婦そろって子供を置いて死ぬなんてさ。ふざけてるよな。
…最低だよ、あいつら。」

「…だから名字が違ったんですね。」

「あぁ。そうだ。」

「あの、結唯のお墓、俺が決めたんです。家も、一軒家で、そのままになってます。」

「そうか。悪かったな、迷惑かけて。」

「そんな、迷惑だなんて思ってません。」

「ありがとな。
芽唯が落ち着いたら、結唯のとこ連れてってくれるか?」

「はい。もちろんです。」