手首を切っているようだった。

その腕を浴槽に突っ込んだまま意識をなくしている。

僕は慌てて風呂場から引きずりだし、救急車を呼んだ。

正しい処置なんてわからないから、とりあえず止血だけでもと、シーツを破り腕を縛った。

何度呼び掛けても返事はない。

死ぬなよ。

僕の涙が飯間の顔を伝い、飯間が泣いているように見える。

どうしてこんなことを…。

僕は自分を責めた。
もっと早くきていれば、もっと気にかけていれば…。

救急車が到着し、病院に運ばれた。

僕も付き添いとして病院に向かった。

飯間に親族がいるのかどうかもわからない。

こんなときにどうすればいいのか。