「やっぱりやめようか」とA君の背中に声をかけようとしたとき、私たちはもうSさんのアパートの前に立っていた。昼間見るとやはり大きい。夜きたときは気づかなかったが、Sさんの部屋は雨戸が閉まっている。ということはまだ警察は来ていないのだろうか。もしかして、Sさんがいなくなった日から、ずっとあの雨戸は閉まったままなのだろうか……。