「あ、飲み物買うの忘れてた」 屋上に行く途中で、晴真先輩がそう言った。 「え?」 「ごめんね、屋上先に行っててくれる?」 「あ、うん」 「買ったらすぐ行くからね」 そう言って離れた手が、なんだか寂しかった。 「千亜樹ちゃん?」 「……え?」 あたし、ぼーっとしてた? 晴真先輩があたしを見てる。