一瞬で、俺から余裕が消えた。 「……へぇ。でも千亜樹ちゃんは俺と付き合ってくれたよ?」 「間違ってたって、すぐに気づくでしょ。あんたと付き合うなんて、何かよっぽどの理由があるからとしか思えない」 “よっぽどの理由” それは、1つしかない。 だから、千亜樹ちゃんが俺の告白に頷いたって言うのか? まさか。そんなわけないよな? 「……勝手な憶測は、それくらいにしてくれないかな。勉強があるんだ、一応3年だから」 するつもりなんてなかったテキストを、玉木弥に見せる。