「……それは」 「まさか付き合ってないわよね?晴真くんは彼女を作らないし」 「え……?」 「みんなの王子よ?誰かが独り占めにしていいわけないじゃない。とくに、あなたみたいな普通の子は」 ――みんなの王子。 わかっていたのに、実際言われるとなんだか重い。 あたしは、みんなの王子さまの子どもを宿して、彼女になった。 だからって、その先に未来なんてあるの?