先輩達の前で抱き締められて、クラスで宣言されちゃったし。 おまけに相手は、学園の王子さまだから仕方ないんだけど……。 「あなた、晴真くんと付き合ってるの?」 先輩の言葉に、あたしは表情を無くす。 ――核心を、つかれた。 今のあたしには、この質問が一番困る。 さっき付き合い始めた。 その事実は、変わらない。 変わらないけど、その事実には裏がある。 あたし達は、普通の恋人同士じゃない。 そこには誰にも言えない、ヒミツがあるんだ。