それなら、あたしが立川先輩に運ばれたのを見た人は少ないよね? ――よかった。 なにか噂になったら、立川先輩に悪いもんね。 「……それより、千亜樹ちゃん」 安堵しているあたしの手を、立川先輩がとった。 「せっかくだから、はっきりさせておこうと思うんだよね」 「え……?」 そう言うとあたしの手を引いて教室に入り、教卓の前に立った。 必然的に立川先輩の隣に並ぶあたし。 みんなの視線を集めている。