呼んでるって、言われても。 みんなの視線があたしに向いた。 好奇心と、睨み。 ここで出て行ったら、どうなるの? あたし達って、周りからどう見られてるのかな。 どうすることもできないでいたあたしを、立川先輩の瞳が捉えた。 「千亜樹ちゃん」 その声に名前を呼ばれただけで、もう何も考えられなくなる。 どうして、なんだろう。 立川先輩には、そんな力があるんだ。