「え、だ、大丈夫。ただの水分不足だったみたいだから!」 夏だしね、と嘘を付け足した。 奈々に嘘をつくのは胸が痛いけど、 今は仕方ないの。ごめんね、奈々。 そのときが来たら、話すから。 「そ?じゃあ教室戻ろっか」 「――そうだね」 生ぬるい風を浴びながら、立ち上がる。 大切にしなきゃな、自分の身体。 もう、1人の身体じゃないんだから。