「早いよ、泣くの」 「だってっ、嬉しすぎて……」 あなたのお嫁さんになるんだから。 そんなあたしの涙を拭って、晴真は笑ってくれた。 「ねぇ、千亜樹」 牧師さんの声に紛れて、晴真の声が聞こえてきた。 「……なに?」 「俺と、約束してほしい」 「約束?」 「うん。これからずっと一緒にいる上でのね」 指輪の交換になり、あたしの指に通したところで晴真が口を開いた。 「まず一つ。ずっと隣にいてほしい」