「千亜樹?」 そんなあたしを、呼ぶ声。 「……奈々?」 「倒れたって聞いたから心配したよ?……って、どうしたの?」 「奈々ーっ」 あたしの顔を見てびっくりしてる奈々の腕の中に、飛び込んだ。 「よしよし、千亜樹どうしたの」 泣くあたしの頭を優しく撫でてくれるのは、 親友の大塚 奈々(おおつか なな) 高校でできた、何でも話せる仲の、頼りがいのあるお姉ちゃんみたいな存在。