あたし、こんな晴真先輩知らない――……。 そう思うのと同時に、なぜだか涙が流れた。 「晴真先輩っ!」 気づけばそう叫んで、身体が勝手に動いていた。 「え、うわっ……!」 そのまま、ベンチに座っていた晴真先輩の胸にダイブ。 「けほっ……千亜樹ちゃん?」 「晴真先輩のバカー!」 「ええっ?」 なにがなんだかもう自分でもわからないけど、そんなことを口走っていた。