「千亜樹……」 次の日学校に行くと、奈々は何も言わずにあたしを抱きしめてくれた。 「奈々、っ……?」 「立川先輩から聞いた。辛かったね……」 奈々の言葉に、視界がぼやける。 こんなあたしのことを、自分のことのように言ってくれるんだ。 「でもあたし、奈々に何も言わなかったのに……」 「言えないよ、そんなこと。あたしだってきっと、千亜樹に言えないと思う」 「な、な……」