どうせ子どものためだって、晴真先輩の優しさを素直に受け取ることができなくて。 ずっと気持ちがすれ違ってたんだね。 晴真先輩も言えなかっただけなんだね。 偽りの気持ちなんてなかったんだ――。 「つらい思いをさせてごめんね、千亜樹ちゃん」 晴真先輩の手が、あたしの手を包む。 その温かさに安心するんだ。 「ううん……」 「もう、泣かせないから」