「……ごめん。本当は何度も声をかけようとしたんだけど、全然だめで」 「え?」 「やっとちゃんと話そうとしたときに、千亜樹ちゃんが倒れて……」 それって、晴真先輩があたしを保健室に運んでくれた、あのとき? 「じゃあ、そのときのことを話したがらなかったのって……」 「恥ずかしいじゃん。好きな子と話そうとして失敗するなんて」 「晴真先輩……」 そうだったんだ。 あたし、ずっと勘違いしてたんだ。