「あ、でもそこにつけ込んだんだ。ごめんね」 「つけ込んだ……?」 「どうすれば千亜樹ちゃんの気を引けるか、ずっと考えてたんだ」 「え?」 「なのにあんなこと言ってたんだ。言うつもりじゃなかったのに」 『だってお腹にいるでしょ、俺の子ども』 ちょっと恥ずかしそうに、晴真先輩が笑った。 じゃあ……。 「全部、あたしのために?」