「千亜樹ちゃん!」




あたしを呼ぶ、聞き慣れた声が聞こえた。




振り返らなくてもわかる。




この声は――。




「……晴真、先輩」



「千亜樹ちゃん……」




振り返ると、息を切らした晴真先輩がすぐそこに立っていた。




――なんで。



なんであたしの名前を呼ぶの?