「――落ちましたよ」 太陽が照りつける、夏。 見ていた青空から目線を変えると、 輝く世界でもひときわ目を引く、 綺麗な顔した男の子があたしを見ていた。 「――……え?」 「だから、落とし物」 そう言う男の子の手には、何かが握られている。 ……あれ。あたし、なにか落としたっけ? 小さい頃から何かとそそっかしいあたしなら、あり得るかも。