「……は、い?」 「今から言うこと、よく聞いてくれる?」 「え……?」 そう言った晴真先輩の手が、微かに震えてる。 ……なにを、言うの? 小さく頷くと、晴真先輩が悲しそうに笑った。 「本当は、いないんだ」 「え?」 「本当は俺たちの子どもは、いないんだ」 「え……」 ――いな、い?あたし達の子どもが?